軍事的合理性 2018 6 2
世界が求めているのは、「北朝鮮の非核化」ですが、
北朝鮮は、相変わらず「朝鮮半島の非核化」と言っています。
「朝鮮半島の非核化」では、
「在韓米軍の撤退」を含みます。
北朝鮮から見れば、
在韓米軍は、核武装しているのかいないのか検証ができません。
仮に、核武装していないとしても、
在韓米軍には、すぐに核兵器を装着できる兵器が多いのです。
そういうわけで、北朝鮮としては、
「朝鮮半島の非核化」を主張せざるを得ないのです。
また、通常兵器で比較すると、
在韓米軍と韓国は、最新鋭の兵器を揃えているのに対して、
北朝鮮の兵器は、第二次世界大戦で使われたような骨董品のような兵器です。
そのため、北朝鮮は、
在韓米軍と韓国に対抗するためには、
核兵器を開発せざるを得ないのです。
このような軍事情勢で、
北朝鮮が核兵器を放棄すると、
国家存亡の危機を招きます。
そのため、北朝鮮としては、
核兵器の「段階的な廃棄」と
在韓米軍の「段階的な撤退」は同時に進める必要があると考えます。
また、韓国軍の軍縮も必要です。
政治とは、「妥協と迷走の産物」でしょうが、
軍事的合理性で考えれば、すぐに結論は出てしまいます。
非対称の時代 2013 1 14
発展途上国の軍事指導者は、こう考えます。
「残念ながら、わが国では、工業力の塊である戦車を作ることはできない。
戦闘機だって同じである。
機体を真似て作ることはできても、高性能なジェットエンジンは作れない。
艦船も同じだ。
外見を真似て作ることはできても、高出力のエンジンは作れない。
さあ、どうするか。
もはや、わが国は先進国に勝てないのか。
ちょっと待て。
安価な対戦車ミサイルで、高価な戦車を撃破できると聞いたことがある。
そうだ。
わが国でも、ミサイルならば開発できる。
対戦車ミサイルどころか対艦ミサイルや対空ミサイル、
いや弾道ミサイルだって作れる。
さすがに米国まで届く長距離ミサイルは技術的に難しいが、
近距離の弾道ミサイルだったら、100発でも200発でも作れる。
こうしたミサイルを大量生産できる」
このように発展途上国の軍事指導者は、現実的に考えますが、
先進国の軍事指導者は、相変わらず、
戦車対戦車、戦闘機対戦闘機、艦船対艦船の戦いを想定しています。
実に、非対称の時代になったものです。
そう言えば、昔も似たようなことがありました。
日本海軍は、戦艦対戦艦の戦いを夢見て、
世界最大の巨大戦艦「大和」を建造しましたが、
時は、空母の時代、いや航空戦力の時代になっていました。
国民からは、ミサイル時代になっても、
日本には、ミサイル防衛システムがあるから大丈夫だという安全神話が出てきそうです。
しかし、ミサイル防衛システムというものは、
技術力の誇示には有効でも、実用性はありません。
理想的な条件が揃えば、ミサイル防衛システムは有効かもしれないというレベルです。
では、対応策はないのか。
これは、何度も書いていますが、
相手国が弾道ミサイルを開発したら、自分の国も弾道ミサイルを開発することです。
それができないならば、次善の策として、
巡航ミサイルを500発程度用意することです。
潜水艦発射型でも駆逐艦発射型でもいいでしょう。